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物語を刻む印

2010年01月22日

古代オリエントから受け継がれる7500年のロマン

印の歴史は長く、封泥[ふうでい](大切なものを粘土の中に納め、泥で封印して鍵の役目を果たしていた)の用途で使われていたものを含めると、今から7500年前のメソポタミアの時代に遡るといわれています。
はじめの頃は、羊皮や毛織物、食料などを収納したり、輸送する際に安全と間違いのないように印を押していたのですが、そのうちに「封は破られない」という機能から、悪霊をも防ぐ護符(おまもり)の意味あいが強くなっていきます。
封泥、王の権威の証、商標、署名、護符、さまざまな用途を経て現在に至る印は、その目的にかかわらず、印を押したその人の思いを今に伝え、悠久のときを超越して現在もなお「歴史の語り部」として輝き続けているのです。

動物たちを象った印

古代メソポタミアの人々は、粘土板が生乾きのうちに円筒形の印章をころがして粘土板文書をつくり、個人の印として使用していました。印画としては、牛馬犬鳥の家畜や村落の繁栄、聖樹と礼拝者、ライオンと有角獣、太陽神シャマシュに拝謁する王と女神など、その時代の世相を反映したものが多いようです。

シルクロードを経て中国で印相学にまで発展する

メソポタミアで誕生した印は、エジプトからギリシャ・ローマを経て、シルクロードに沿って各国に普及することとなります。中国では、印によって運命を切り拓く印相学も生まれ、印は個人の分身として自らと一対の世界を無言のうちに代弁するという、重要なポジションを占めるようになります。

日本でも印ブームに

我が国では、「漢委奴國王」の金印が紀元57年に後漢より伝わって以降、持統天皇の時代の日本書紀に神事、祭祀のための木印が奏上されたとあり、公私ともに用いられ始めました。その後、鎌倉から室町時代に入ると、武人や儒者、文人、学者がこぞってユニークな落款(現代のサイン)や遊印を考案し、使い始めるようになります。

でも、本当はもっと昔から誕生していたという説も・・・

ギザの大ピラミッドといえば、紀元前2540年頃に奴隷につくらせたクフ王の墓という考え方が一般的です。しかし、ピラミッドを構成する巨石を設計上寸分の狂いも無く積み上げている事実や、墓としては不要な通気口を設けていること、さらに上空から見下ろした際に、オリオンの3つ星と3大ピラミッドの位置関係が同じで、尚かつ星の光量とピラミッドの大きさが同じ比率の相似の関係にあるなど、興味深い点が多くみられます。仮にこれがオシリス(あの世の神)のためにつくられたと仮定すると、天文学的見地から算出すると、紀元前1万年以上前からピラミッドは存在していた可能性もあるとか。 そうなると、印もそのころからもしかして誕生していたのかもしれません。

印を通じて、遠い昔の情景に想いを馳せてみるのもロマンがあってよいものです。