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最古の山葵園を訪ねて

2009年11月25日

楓の葉が真っ赤に色づく霜月の情景を噛み締めながら、静岡の山の奥地へと進んでいくと、そこにはありました。日本最古の山葵[わさび]生産の地です。今回は、山葵の専業農家白鳥さんの山葵農園を訪ねました。

静岡といえば山葵が有名ですが、ここ有東木[うとぎ]村は、湧水に恵まれた、清らかな土地。今から400年前、村人がこの地に自生していたわさびの苗を湧水に植えてみたのが、わさび栽培の始まりなのだそうです。試しに植えたら、繁茂してしまったのだと。江戸時代は初期、これが偶然家康公の目に留まり、門外不出の御法度品にまでされてしまったというエピソードがあります。

それだけ珍重されてきたわさびですが、この有東木村の気候は、わさび栽培には少し寒いのだそうです。 でも、寒さが厳しく、生育が遅い分、辛みや風味が蓄積されて、おいしいわさびができるといいます。 わさびも、厳しい環境でこそ、必死に生きようとする力を得るのだろうと思わざるを得ませんでした。

「作物を厳しく育てるのがおいしさの秘訣」というわけですが、これは人間の世界も同じことがいえるでしょうか。厳しい体験から得た人間的な強さを、ここ有東木の生産者から感じとることができました。