facebookでシェアする twitterでシェアする

草木染め体験記

2009年11月03日
本山茶染め

私がいつもお世話になっている知人で、静岡の天然染物工房4代目の職人である鷲巣恭一郎さんの工房を訪ねました。 今回は、生まれて初めての「染物」の体験。それもなんと緑茶で染めるのです。 代々引き継がれてきた技術を皆様に知っていただけるよう、体験のほんの一部分を綴ってみたいと思います。

染め型づくり

本山茶殻

茶染めに使われている本山茶の茶殻。
緑茶を作る際の廃棄物を有効利用している。

作業が始まると、そこはもう無言の集中空間。 小学校の図工の時間を思い出しました。 私はいつも、モノづくりに熱中しすぎて期限に間に合わないタイプ。 今回も、午前中いっぱいかけてようやくデザインが完成。

上のタイトル写真が、完成したデザインです。 火の鳥をイメージしたつもりです。
炎が立ち上るような躍動感を与えるつもりが、線が細かすぎて、駆け出しから大変な作業となりました。まだこれからが本番だというのに・・・

染め上げから完成まで

綿布に型を置いて、米ぬか由来の糊を刷り込んみマスキングをおこなった後、木酢酸鉄を塗り込むと、布地とタンニンに鉄が反応して布地の色が変わります。 これは、色を塗っているのではなく、分子が布地に固定して結合するのだそう。 だから何度も水洗いしても落ちないのです。

本山茶染め糊落とし

マスキングの糊をお湯で溶かしている様子

この作業を3〜5回繰りかえすと、糊でマスキングを施した部分の周囲の色が変わり、糊の部分から布地の薄い色浮き出るという仕組みになっています。

静岡市内の鷹匠のおいしいピザ屋さんにランチを食べにいっている間に、乾燥した布地は濃い茶色に染まり上がり、とても美しく落ち着いた雰囲気を放っていました。
そして最後の仕上げとして、お湯に浸けて糊を溶かし、模様が浮き上がってきた瞬間は、まさに感動的でした。

あらゆる素材への挑戦

今回、本山茶染めを体験させていただいた染物職人の鷲巣さんは、茶染めだけにとどまらず、ドングリ、玉葱など野菜の茎・葉・花など、さまざまな天然素材から色素が取り出せないか試行錯誤を行っていて、新しい染料による新しい染物も同時に追求しているのだそう。今後の展開が楽しみです。